近年ブロックチェーン技術は多くの産業で注目を集めています。
もともと仮想通貨の基盤として開発されたブロックチェーン技術。
この技術はその透明性とセキュリティの高さから金融業界を超えて幅広い分野での応用が期待されています。
この記事ではブロックチェーンの多彩な活用方法について具体的に紹介します。
ブロックチェーンがどのようにしてビジネスの効率性を向上させ新たな価値を創造するのかその可能性に迫ります。
今回の内容は動画でも解説しています。 他の内容について動画を配信しているのでぜひチャンネル登録して他の動画もご覧ください。
ブロックチェーンの活用方法
公共サービス
ブロックチェーンを公共サービスに活用している国があります。
それが北欧の国のエストニア。
電子国家と呼ばれるエストニアは公共サービスを構築するためにブロックチェーンを活用しています。
エストニアでは国民一人ひとりに電子住民カードが発行。
そのカード内にブロックチェーンで保護された個人データが記録されています。
この電子住民カードを使えばオンラインで税申告や銀行取引、さらには電子投票までも可能となっています。
エストニアはブロックチェーンの特性である分散型台帳と高いセキュリティを最大限に活かしている国。
国民IDの管理からデータ保護に至るまで様々な公共サービスの透明性と効率性の向上を目指した先進的な試みを実施しているのです。
ブランド品
ブロックチェーンはブランド品の分野でも使われています。
たとえば真贋証明。
真贋証明とはその商品が本物かどうかを証明すること。
アートの世界では偽物が大量に出回っており社会問題になっています。
偽造技術の進歩に伴ってスーパーコピーと呼ばれる超精巧な偽物も誕生しています。
財務省によると2022年の偽造品の被害総額は500兆円にものぼります
ブランド保護や消費者保護の観点からも偽物かを判断するのは非常に重要になっているのです。
真贋証明はある商品がいつ・どこで・誰が・どうやって扱われたのか?
その情報は正しいのかを証明することによって実現されます。
それはブロックチェーンによって実現できるのです。
LOUIS VUITTONやDiorの親会社であるLVMHはブランド品の真贋を証明するAURAを提供しています。
このプラットフォームは原材料の調達から店頭での販売までの一連のプロセスを追跡可能にしています。
これにより消費者は製品の歴史やブランドの信頼性を証明可能になり偽造品などの不正商品を排除することができます。
LOUIS VUITTONの製品にはブロックチェーン上に保存された情報を含むQRコードが付与されています。
これにより消費者はブランドのアプリを使って製品の真贋を確認することができます。
将来的には中古品にもその範囲を拡大していく予定。
製品が最初にどこで購入されいつリセールに出されたのかといった情報も提供されるため二次流通している製品に対してもデジタル上で証明できます。
こうした技術を利用しLVMHは全製品を正規品として認定することを目指しています。
世界的なブランド企業もブロックチェーンを活用しているのです。
物流
ブロックチェーンはサプライチェーンの管理に効果的に応用されています。
例えば世界的なスーパーマーケットであるウォルマートはブロックチェーンを活用してサプライチェーンの管理を効率化しています。
ウォルマートはIBMが開発した「IBM Food Trust」を導入し、食品サプライチェーンの透明性を大幅に向上させています。
この技術はブロックチェーンを活用して製品の調達経路を追跡し情報の共有や追跡をできるようにしています。
特に食品偽装問題に対処するためにブロックチェーン技術を活用しています。
ウォルマートはブロックチェーン技術を活用してサプライチェーンの効率化を図っています。
例えば調達時間を大幅に短縮し品質チェックを都度実施することで効率的な品質管理を実現しています。
スーパーマーケットにおいてもブロックチェーンは活用されているのです。
こう考えると身近にもブロックチェーンがあるのがわかりますね。
食品
日本でも話題になった商品の産地偽造。
これもブロックチェーンがあれば解決できます。
旭化成とTISが共同で構築したブロックチェーン技術を基盤とした偽造防止デジタルプラットフォームのAkliteia。
高級ウニの水産加工業者である羽立水産が提供する「はだての生うに」。
旭化成の独自技術によって作られた透明で偽造困難なラベルを商品のパッケージに貼り付けます。
さらに情報提供のため真正品であるという表示とQRコードを付記。
そうすることで消費者は本物であることが一目でわかりより安心して商品を購入できるようになります。
またサプライチェーン全体で偽造品を減らすことができます。
ブロックチェーンによって透明性と信頼性が向上するのです。
金融
ブロックチェーンと聞いて真っ先に思い浮かぶのが金融だと思います。
金融業界におけるブロックチェーン技術の活用は近年急速に進展しています。
取引の効率化や透明性の向上、コスト削減などの面で大きな可能性を秘めているからです。
ブロックチェーンを利用することで国際送金の速度を大幅に向上させ手数料を削減することができます。
これにより特に途上国への送金や小口送金において利用者の利便性が高まることが期待されています。
証券取引の分野でもブロックチェーンの活用が進んでいます。
これまでの証券取引システムでは取引の清算や決済に数日を要していました。
ですがブロックチェーンを使用することでほぼリアルタイムでの処理が可能になります。
これにより取引のリスクや管理コストを大幅に削減できる可能性があります。